問診だけじゃない東洋医学の診断方法

多くの方が、医者の問診を受けたことがあるかと思います。日本の医療機関は主に西洋医学方式であり、問診で患者さんの話を聞いて診断に役立てます。一方、東洋医学を用いる場合、西洋医学とは異なり、問診の他に望診(ぼうしん)・聞診(ぶんしん)・切診(せっしん)があります。

まず望診では、患者さんの顔の色・舌の色・目の力・歩き方の特徴など目で見て診断をします。例えば顔色が青い患者さんの場合は肝や胆に注目し、目に違和感がある患者さんの場合は、目と密接な関係がある肝に注目します。

聞診は、患者さんと会話をすることによって診断をする方法です。医者が注目するのは話の内容ではなく、患者さんの話し声が高いか低いか・声がかすれていないか、また患者さんの体の臭いも診断の材料にします。

切診は、患者さんに触れて診断をする方法です。患者さんの脈拍をとったり、腹部に触ったり、皮膚の経路上を触って皮膚に痛みや緊張がないかを探ります。

また、東洋医学では、五行説の考え方が原則となっています。五行説とは、万物は火・水・木・金・土の5種類の元素からなるという考え方で、お互いの要素を補い合ったり抑制し合ったりしているという見方をします。人間の体も五臓、五腑、五感を生じる五官があって、それぞれ五行で並んでいます。東洋医学は体の各部分が常に関連しあっているという五行の考え方を土台にして、望診・聞診・切診・問診を通した具体的な診断を行っているのです。